SMSF — Short Message Service Function¶
学習目標¶
- SMSFの役割、すなわちNAS(N1)経由で運ばれるSMS(SMS over NAS)の処理主体であることを理解する。
- SMSFがAMFと連携し、UEのNASメッセージをSMSとして中継する流れを理解する。
- UEがSMS対応の場合にAMFがSMSFを選択し、UDMへSMSF登録を行う仕組みを理解する。
- SMSFがSMSC(SMS Center)/IP-SM-GWと中継し、実際のSMS配送を成立させる役割を理解する。
前提知識¶
この章で学べること¶
- Why(なぜ): 音声・データが利用できない状況でもSMSは認証コードや各種通知を届ける基本サービスとして重要であり、5GでNAS上を運ぶSMSを処理する主体が必要だから。
- What(何を): SMSFがNAS経由SMSを受け持ち、SMSコンテキストやSMS購読情報を保持し、Nsmsf APIを提供することを学ぶ。
- How(どう): 登録時のSMSF選択・UDM登録、SMS送受信時のAMFからのNAS中継、SMSC/IP-SM-GWへの受け渡しという一連の流れを学ぶ。
Why — なぜ必要なのか¶
音声通話やデータ通信が使えない状況でも、SMSは認証コード(ワンタイムパスワード)や各種システム通知を届ける基本的で重要なサービスです。5Gでは、このSMSをNAS(N1)シグナリング上で運ぶ方式(SMS over NAS)が用意されており、その処理を専門に担う主体が必要になります。SMSFがその役割を担い、UEとSMSC/IP-SM-GWの間を橋渡しします。
例え話: SMSFはSMSの「郵便仕分け窓口」です。NASという通路を通って届いたSMSを受け取り、正しい宛先(SMSC)へ振り分けます。この窓口が無いと、NAS経由のSMSを配送できません。
Overview — 概要¶
- UEは登録(Registration)時に、自身がSMS(SMS over NAS)に対応していることを示します。
- AMFはこれを受けてSMSFを選択し、UDMに対してSMSFの登録を行います。
- SMSの送受信時には、UEのNASメッセージをAMFがSMSFへ中継します。
- SMSFは受け取ったSMSをSMSC/IP-SM-GWへ受け渡し、実際の配送を成立させます。
Basic Concept — 初心者向け説明¶
SMSFは、NASという通路を通って届いたSMSを仕分けて、SMSC(SMSの集配所)へ渡す「窓口」です。UEから見ると、SMSはAMFとのNASやり取りに乗って運ばれます。AMFはそのSMS部分をSMSFへ渡し、SMSFがSMSCへ橋渡しします。逆向き(SMSC→UE)も同様に、SMSFがAMF経由でNASに乗せてUEへ届けます。
Network Function 詳細¶
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役割 | NAS(N1)経由で運ばれるSMS(SMS over NAS)を処理し、AMFとSMSC/IP-SM-GWの間を中継する。 |
| 保持情報 | SMSコンテキスト、UEのSMS購読情報、SMSC接続情報。 |
| 利用する主なAPI | UDMからのSMS購読データ取得およびUDMへのSMSF登録(Nudm)、AMFからのNAS中継。 |
| 提供するAPI | Nsmsf_SMService(Activate / Deactivate / UplinkSMS 等。個別operationは要確認)— TS 29.540。 |
| 関連Interface | SBI(Nsmsf)、AMF経由でN1(NAS)。 |
| 障害時の影響 | NAS経由SMSが利用不可になる。音声/データ通信には影響せず、影響はSMSに限定される。 |
Architecture¶
flowchart LR
UE["UE"] -->|"NAS / N1"| AMF["AMF (NAS中継)"]
AMF -->|"Nsmsf"| SMSF["SMSF (SMS処理)"]
SMSF --> SMSC["SMSC / IP-SM-GW"]
AMF -->|"SMSF登録"| UDM["UDM (加入者データ)"]
SMSF -->|"SMS購読データ取得"| UDM
図の読み方: UEのSMSはNAS(N1)に乗ってAMFへ届き、AMFがNsmsf経由でSMSFへ中継します。SMSFはSMSC/IP-SM-GWへ受け渡して配送を成立させ、登録時にはAMFがUDMへSMSF登録を行い、SMSFはUDMからSMS購読データを取得します。
Interface¶
| Interface | 接続 | 主な役割 |
|---|---|---|
| SBI(Nsmsf) | AMF ⇔ SMSF | SMS中継(SMService) |
| N1(NAS) | UE ⇔ AMF | SMSトランスポート |
詳細はInterface辞典を参照してください。
Procedure での登場¶
- Registration時: UEがSMS(SMS over NAS)対応を示すと、AMFがSMSFを選択し、UDMへSMSF登録を行います。
- SMS送受信時: AMFがUEのNASメッセージ(SMS部分)をSMSFへ中継し、SMSFがSMSC/IP-SM-GWへ受け渡します。
具体的な流れはRegistrationおよびAMFを参照してください。詳細な手続きの記載は要確認。
EPCとの比較¶
4G/EPCでは、SMSは SMS over SGs(MME ⇔ MSC) や SMS in MME(SGd / IP-SM-GW経由) といった方式で提供されていました。5Gでは、SMSFがNAS経由SMS(SMS over NAS)を担当します(正確な対応関係は要確認)。
| 世代 | SMS提供方式 |
|---|---|
| 4G/EPC | SMS over SGs(MME⇔MSC)/ SMS in MME(SGd経由) |
| 5G(SMSF) | SMS over NAS(SMSFがNAS経由SMSを処理) |
Release差分¶
Rel-15でSMSFが基礎機能として定義されました。以降のリリースでの拡張については要確認。
3GPP Specification¶
- TS 23.501: §6.2 付近でSMSFが定義される(個別章番号は要確認)。
- TS 23.502: SMSに関する手続き(登録・送受信)を規定(要確認)。
- TS 29.540: Nsmsf(SMService)を規定(個別章番号は要確認)。
Summary¶
- SMSFはNAS(N1)経由で運ばれるSMS(SMS over NAS)を処理する主体である。
- SMSの送受信では、AMFがUEのNASメッセージをSMSFへ中継する。
- UEがSMS対応の場合、AMFがSMSFを選択しUDMへSMSF登録を行う。
- SMSFはSMSC/IP-SM-GWと中継し、実際のSMS配送を成立させる。
- 障害の影響はSMSに限定され、音声/データ通信には及ばない。